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新興ランサムウェアVolkLocker、実装ミスにより被害者が自己復旧できる可能性

新たに確認されたランサムウェア「VolkLocker」において、暗号化の根幹に関わる深刻な設計不備が存在すると報告されています。この不備により、被害者が身代金を支払わずにファイルを復号できる可能性があるとされています。一方で、同ランサムウェアは実際の攻撃機能や破壊的な挙動も備えており、危険性が低いとは言えません。技術的な欠陥と実運用上のリスクを正しく理解することが重要です。
The Hacker News:VolkLocker Ransomware Exposed by Hard-Coded Master Key Allowing Free Decryption

この記事のポイント

影響のあるシステム

  • Windows システム
  • Linux システム
  • VolkLocker(別名 CyberVolk 2.x)に感染した端末

推奨される対策

  • 不審な実行ファイルや添付ファイルを開かない
  • エンドポイント保護製品による挙動検知を有効化する
  • 侵害が疑われる場合、ユーザー環境の一時フォルダ(%TEMP%)内の痕跡を確認する
  • 定期的なオフラインバックアップを保持する

上記の対策は、元記事の事実に基づき日本の読者向けに整理したものです。

この記事に出てくる専門用語

  • ランサムウェア:ファイルを暗号化し、復号と引き換えに金銭を要求するマルウェアです。
  • RaaS(Ransomware-as-a-Service):ランサムウェアをサービスとして提供し、攻撃者に利用させるビジネスモデルです。
  • AES-256-GCM:強力な共通鍵暗号方式で、データ保護に広く使われています。
  • マスターキー:暗号化・復号の基点となる重要な鍵情報です。

VolkLockerによる被害シナリオと実際の挙動

VolkLockerは実行されると、まず権限昇格を試み、その後にシステム情報の収集や環境の調査を行うと報告されています。仮想環境の有無を確認するため、MACアドレスのベンダープレフィックスを用いた判定も行われるとされています。その後、利用可能なドライブを列挙し、設定ファイルに基づいて暗号化対象のファイルを選定します。暗号化されたファイルには独自の拡張子が付与され、利用者は通常の方法ではアクセスできなくなります。また、復旧を妨害するため、シャドウコピーの削除やセキュリティ関連プロセスの停止といった一般的なランサムウェアの挙動も確認されています。

技術的な欠陥と無償復号が可能とされる理由

調査の結果、VolkLockerのテスト用サンプルには重大な設計ミスが含まれていることが明らかになっています。暗号化に使用されるマスターキーが実行ファイル内にハードコードされているだけでなく、その同一キーが被害システム内のすべてのファイル暗号化に使用されていると報告されています。さらに、このマスターキーが平文のままTEMPフォルダ内のファイルとして保存され、削除されない仕様になっている点が問題視されています。このため、理論上は被害者自身が鍵を取得し、身代金を支払わずに復号できる可能性があるとされています。

国内組織が注意すべき現実的なリスク

VolkLockerには致命的な欠陥が存在する一方で、実際の攻撃コードとしての完成度は低くありません。特に、支払い期限を過ぎた場合や復号キーの入力に失敗した場合に、ユーザーフォルダの内容を消去するタイマー機構が組み込まれている点は注意が必要です。また、攻撃者側はTelegramを基盤とした自動化された運用を行っており、今後実装が修正される可能性も否定できません。国内組織においては、「欠陥があるランサムウェアだから安全」と判断せず、侵入防止と初動対応の体制を整えておくことが重要と考えられます。

参考文献・記事一覧

投稿者プロフィール

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CyberCrew(サイバークルー)は、企業の情報セキュリティをトータルで支援する専門チームです。高度なスキルを持つホワイトハッカーが在籍し、サイバー攻撃の監視・検知から初動対応、リスク診断や従業員向けのセキュリティ教育まで、幅広いサービスを提供。企業のニーズに応じた柔軟な対応で、安心・安全なIT環境の実現をサポートします。


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