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サイバー攻撃とは?5分でわかる種類・事例・対策の全知識【2026年版】

ニュースで「サイバー攻撃によりシステム停止」「個人情報が流出」「ランサムウェア被害」と聞く機会が増えました。けれど、実際にサイバー攻撃とは何なのか、自分や会社にどんな関係があるのかまで説明できる人は、意外と多くありません。

サイバー攻撃というと、大企業や政府機関だけが狙われるイメージがあるかもしれません。しかし実際には、個人のスマホ、SNS、ネットバンキング、ネットショッピングのアカウントも日常的に狙われています。中小企業も「うちは有名ではないから大丈夫」とは言えません。攻撃者にとっては、規模の大小よりも「侵入しやすいか」「お金になるか」「他社への踏み台にできるか」が重要だからです。

この記事では、CyberCrewのホワイトハッカーの視点から、サイバー攻撃の意味、代表的な種類、実際の被害事例、個人・企業が今すぐできる対策、万が一被害に遭ったときの初動対応まで、できるだけ専門用語を使わずに整理します。

サイバー攻撃への対策は、知識を持つことが第一歩ですが、「自社が実際にどこから狙われるか」は、脆弱性診断ペネトレーションテストを通じて初めて見えてくることがほとんどです。CyberCrewでは、複数名のホワイトハッカーが在籍し、攻撃者が実際に狙うポイントから現場感のあるテストでリスクを評価します。まずは無料でご相談ください。

TABLE OF CONTENTS

サイバー攻撃とは?まずは身近な例えで理解しよう

サイバー攻撃とは、インターネットやネットワークを悪用して、パソコン、スマホ、サーバー、クラウドサービスなどに不正な行為をすることです。

もう少し身近に言えば、現実世界の「空き巣」「詐欺」「嫌がらせ」「盗聴」「営業妨害」が、インターネット上で行われるようなものです。

たとえば、偽メールでパスワードを盗むフィッシング詐欺は、銀行員を装って暗証番号を聞き出す詐欺に似ています。ランサムウェアは、家の鍵を勝手に交換され、「元に戻してほしければお金を払え」と脅されるようなものです。DDoS攻撃は、お店に嫌がらせ電話を大量にかけて、営業できなくする行為に近いです。

このように例えると、サイバー攻撃は決して遠い世界の話ではありません。普段使っているスマホ、メール、SNS、銀行アプリ、会社のパソコンの先にある、現実的なリスクです。

サイバー攻撃の定義

警察庁は、サイバー空間をめぐる脅威について、サイバーセキュリティが害されることや、情報技術を用いた不正な行為によって個人の生命・身体・財産、公共の安全と秩序を害するおそれのある事案として整理しています。警察庁のサイバー事案等の検挙状況でも、サイバー事案の検挙件数や不正アクセス、不正送金などの状況が公表されています。

難しく聞こえるかもしれませんが、要するにサイバー攻撃とは、ネットワークやコンピューターを使った不正行為です。

具体的には、次のような行為が含まれます。

  • 他人のアカウントに不正ログインする
  • メールやSMSで偽サイトへ誘導し、ID・パスワードを盗む
  • 企業のシステムに侵入し、情報を盗む
  • データを暗号化して使えなくし、身代金を要求する
  • 大量アクセスでWebサイトやサービスを止める
  • ソフトウェアの脆弱性を悪用して不正操作する

つまり、サイバー攻撃は「パソコンにウイルスが入ること」だけではありません。メール、SNS、スマホアプリ、クラウド、Wi-Fi、会社のネットワーク、取引先とのやり取りまで、あらゆる場所が入口になります。

サイバー攻撃の目的と犯人は?なぜが分かると対策が見える

サイバー攻撃の目的は、大きく分けると「お金」「情報」「妨害」「スパイ活動」です。攻撃者の目的が分かると、どこを守るべきかも見えやすくなります。

目的狙われるもの代表的な攻撃
金銭目的銀行口座、クレジットカード、暗号資産、身代金フィッシング、ランサムウェア、不正送金
情報窃取個人情報、顧客情報、営業秘密、設計図、認証情報標的型攻撃、マルウェア、内部侵害
妨害・抗議Webサイト、サービス、業務システムDDoS攻撃、改ざん、業務妨害
国家・諜報活動政府機関、重要インフラ、研究機関、大企業APT攻撃、標的型攻撃、サプライチェーン攻撃

犯人も一種類ではありません。個人の詐欺グループ、組織化された犯罪グループ、国家の支援を受けた攻撃者、内部不正を行う関係者など、さまざまです。

大切なのは、「自分には盗まれる価値がない」と考えないことです。攻撃者にとっては、メールアドレス、パスワード、クレジットカード情報、会社のログイン情報、SNSアカウントも十分に価値があります。

なぜ今サイバー攻撃が話題なのか?2026年の最新動向

サイバー攻撃が話題になっている理由は、単にニュースが増えたからではありません。実際に被害件数、被害額、攻撃手口の巧妙さが高い水準で推移しています。

警察庁の令和6年のインターネットバンキングに係る不正送金事犯では、2024年の発生件数は4,369件、被害額は約86億8,900万円とされています。また、その被害の多くは金融機関等を装ったフィッシングによるものと考えられると説明されています。

項目2024年の状況読み取れること
サイバー事案の検挙件数3,611件ネット上の不正行為が継続的に発生している
ネットバンキング不正送金4,369件個人・法人の銀行口座が狙われている
不正送金被害額約86億8,900万円フィッシングによる金銭被害が非常に大きい
組織向け脅威の1位ランサム攻撃による被害企業の業務停止リスクが深刻化している

IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026でも、組織向け脅威の1位は「ランサム攻撃による被害」、2位は「サプライチェーンや委託先を狙った攻撃」、3位は「AIの利用をめぐるサイバーリスク」です。サイバー攻撃は、個人の生活にも、企業の経営にも直結する問題になっています。

攻撃が急増している3つの理由

サイバー攻撃が増えている背景には、主に3つの理由があります。

1つ目は、生成AIの悪用です。攻撃者はAIを使って、自然な日本語のフィッシングメールを作ったり、偽の問い合わせ文面を作ったり、攻撃コードの作成を補助したりできます。昔のフィッシングメールは不自然な日本語で見分けやすいものも多くありましたが、今はかなり自然な文章で届くことがあります。

2つ目は、クラウド・リモートワークの普及です。会社のシステムが社内だけで完結していた時代と違い、今はMicrosoft 365、Google Workspace、Slack、Zoom、各種SaaS、VPNなど、外部からアクセスできる入口が増えています。便利になった一方で、攻撃者が狙う場所も増えました。

3つ目は、攻撃ツールの民主化です。高度な技術を持つ攻撃者だけでなく、犯罪サービスを購入して攻撃を実行する者もいます。ランサムウェアをサービスとして提供するRaaS、フィッシングキット、漏えい済み認証情報の売買などにより、攻撃のハードルが下がっています。

つまり、サイバー攻撃は「一部の天才ハッカーだけが行うもの」ではなく、犯罪ビジネスとして広がっているのです。

2026年の注目トレンドはLLM(生成AI)への攻撃

2026年時点で特に注目したいのが、LLM、つまり大規模言語モデルや生成AIを狙う攻撃です。

代表的なものに、プロンプトインジェクションがあります。これは、AIに対して悪意のある指示を入力し、本来守るべきルールを回避させたり、想定外の動作をさせたりする攻撃です。OWASPのLLM01:2025 Prompt Injectionでも、プロンプトによってLLMの挙動や出力が意図しない形に変えられるリスクが説明されています。

生成AIに関する主なリスクは、次のようなものです。

  • プロンプトインジェクションによる不正操作
  • AIチャットボットからの機密情報漏えい
  • AIエージェントの過剰な権限による誤操作
  • 偽情報やフィッシング文面の自動生成
  • AI連携アプリのプラグインや外部接続の悪用

NISTもAI Risk Management Frameworkと生成AI向けプロファイルを公開し、生成AI特有のリスク管理を整理しています。

企業が生成AIを業務で使う場合、従来のウイルス対策だけでは不十分です。AIに入力してよい情報、AIがアクセスしてよいデータ、AIエージェントに与える権限、ログ監視、誤動作時の停止方法まで考える必要があります。

ランサムウェア、サプライチェーン攻撃、生成AIを悪用した詐欺——攻撃の手口は年々巧妙化しています。「対策しているつもり」の状態で止まらないために、定期的な脆弱性診断ペネトレーションテストで現状を点検することが重要です。CyberCrewでは、最新の攻撃トレンドを踏まえ、自社に合った優先順位で対策を整理します。まずは無料でご相談ください。

代表的なサイバー攻撃6選

サイバー攻撃には多くの種類がありますが、最初からすべて覚える必要はありません。まずは、ニュースや実務でよく出てくる代表的な6種類を押さえれば、全体像が見えやすくなります。

攻撃名簡単に言うと主な被害
ランサムウェアデータを人質に取る攻撃業務停止、情報流出、身代金要求
フィッシング詐欺偽メール・偽SMSで情報を盗む攻撃不正ログイン、不正送金、カード悪用
標的型攻撃特定の企業・組織を狙い撃ちする攻撃機密情報流出、長期侵入
DDoS攻撃大量アクセスでサービスを止める攻撃Web停止、機会損失、信用低下
サプライチェーン攻撃取引先や委託先を経由する攻撃大企業・顧客への被害拡大
ゼロデイ攻撃修正前の脆弱性を狙う攻撃防御困難な侵入、情報窃取

ランサムウェア|データを人質に身代金を要求する最も深刻な攻撃

ランサムウェアは、パソコンやサーバー内のデータを勝手に暗号化し、使えない状態にしたうえで「元に戻してほしければ身代金を払え」と要求する攻撃です。

身近な例で言えば、家の鍵を勝手に交換されて、「元の鍵が欲しければお金を払え」と脅されるようなものです。しかも最近は、データを暗号化するだけでなく、先に情報を盗み出し、「支払わなければ公開する」と脅す二重脅迫型も増えています。

企業がランサムウェア被害を受けると、次のような影響が出ます。

  • 業務システムが使えなくなる
  • 工場や物流が止まる
  • 顧客情報や取引先情報が流出する
  • 復旧に数週間から数か月かかる
  • 信用低下や問い合わせ対応に追われる

2024年のKADOKAWA・ニコニコ関連サービス、2025年のアサヒグループHDなど、国内でも大規模なランサムウェア被害が発生しています。IPAの情報セキュリティ10大脅威でも、ランサム攻撃は組織向け脅威の1位に位置付けられています。

フィッシング詐欺|偽メール・偽SMSで個人情報を盗み取る手口

フィッシング詐欺は、実在する銀行、通販サイト、配送業者、クレジットカード会社、携帯会社などを装い、偽サイトへ誘導してID・パスワード・クレジットカード情報を盗み取る手口です。

たとえば、次のようなメッセージが届くことがあります。

  • 「荷物をお届けしましたが不在でした」
  • 「口座の利用を一時停止しました」
  • 「カードの本人確認が必要です」
  • 「不正利用の疑いがあります」
  • 「至急ログインしてください」

本物に見えるロゴや画面を使っているため、スマホで急いで見ていると気づきにくいのが厄介です。警察庁も、ネットバンキング不正送金被害の多くが、金融機関等を装ったフィッシングによるものと考えられると説明しています。

フィッシングは、個人が最も遭遇しやすいサイバー攻撃の一つです。メールやSMSのリンクからログインするのではなく、公式アプリやブックマークから開く習慣をつけてください。

標的型攻撃|特定の企業・組織を狙い撃ちする巧妙な攻撃

標的型攻撃は、不特定多数ではなく、特定の企業や組織を狙って行われる攻撃です。攻撃者は事前に会社名、役員名、部署名、取引先、採用情報、公開資料などを調べ、自然なメールや問い合わせを装って侵入を試みます。

典型的な例としては、次のようなものがあります。

  • 取引先を装った請求書メール
  • 採用応募を装った添付ファイル
  • 見積依頼を装った不審メール
  • 社内の上司を装った依頼メール
  • クラウド共有リンクを装った偽ログイン画面

標的型攻撃の怖いところは、最初のメールだけを見ると、業務上あり得る内容に見えることです。攻撃者は、相手がクリックしやすい状況を作ります。

企業にとっては、標的型攻撃は特に警戒すべき攻撃です。感染や不正ログインに気づくまで時間がかかると、社内ネットワーク内で横展開され、機密情報の窃取やランサムウェア被害につながることがあります。

DDoS攻撃|大量アクセスでサーバーをダウンさせる攻撃

DDoS攻撃は、多数の端末から一斉に大量のアクセスを送り、Webサイトやサーバーを利用できない状態にする攻撃です。

身近な例で言えば、お店に嫌がらせ電話を大量にかけ続け、通常のお客さまからの電話を受けられなくするようなものです。

DDoS攻撃を受けると、次のような被害が起こります。

  • ECサイトが表示されない
  • 予約サイトや会員サイトが使えない
  • 金融サービスや公共サービスに接続しにくくなる
  • 問い合わせが急増し、対応コストが増える
  • サービス停止により売上や信用が低下する

警察庁とNISCはDDoS攻撃への対策を公表し、分析した一連のDDoS攻撃では攻撃元IPアドレスの約99%が海外に割り当てられたIPアドレスであったと説明しています。

DDoS攻撃は、個人よりも企業や組織のWebサービスが対象になりやすい攻撃です。CDN、WAF、アクセス制御、通信量制御、監視体制など、事前の備えが重要です。

サプライチェーン攻撃|取引先を踏み台にして大企業を狙う攻撃

サプライチェーン攻撃は、セキュリティが手薄な取引先、委託先、子会社、関連企業を経由して、本命の企業や組織へ侵入する手口です。

攻撃者から見ると、大企業そのものに直接侵入するのは難しくても、委託先や関連会社のセキュリティが弱ければ、そこを入口にできます。つまり「中小企業だから狙われない」ではなく、「中小企業だから入口として狙われる」ことがあります。

サプライチェーン攻撃では、次のような形で被害が広がります。

  • 委託先の情報流出が、委託元企業の顧客情報流出につながる
  • 取引先のメールアカウントが乗っ取られ、偽メールの送信元に使われる
  • 子会社経由で親会社のネットワークに侵入される
  • 外部委託しているシステムや印刷・発送業務から情報が漏れる

2024年のイセトーのランサムウェア被害では、同社が業務を受託していた自治体や企業の情報流出に発展したと報じられました。これは、委託先の被害が多くの組織に影響する典型例です。

ゼロデイ攻撃|修正前の脆弱性を突く防ぎにくい攻撃

ゼロデイ攻撃とは、ソフトウェアや機器の脆弱性が発見され、修正パッチが提供される前、または利用者が修正する前の空白期間を狙う攻撃です。

身近な例で言えば、鍵メーカーがまだ欠陥に気づいていない段階で、その鍵の開け方を知った泥棒が動き出すようなものです。

ゼロデイ攻撃が厄介なのは、防御側がまだ十分な対策情報を持っていない場合があることです。従来型のウイルス対策ソフトだけでは検知できないこともあります。

対策としては、次のような多層防御が必要です。

  • OS・アプリ・ネットワーク機器を常に更新する
  • EDRやログ監視で不審な挙動を検知する
  • 不要な外部公開サービスを減らす
  • 脆弱性情報を継続的に収集する
  • 攻撃者視点の脆弱性診断やペネトレーションテストを行う

ゼロデイ攻撃を完全に防ぐことは難しいですが、侵入された後の被害拡大を抑えることはできます。

紹介した6つの攻撃手口はいずれも、国内外で実際に被害が発生しているものです。どの手口から狙われやすいかは、自社のシステム構成や業種によって異なります。CyberCrewの脆弱性診断ペネトレーションテストでは、攻撃者が実際に使う手法で自社の弱点を特定し、優先すべき対策を明確にします。まずは無料でご相談ください。

実際に起きたサイバー攻撃の最新被害事例【2024〜2026年】

サイバー攻撃は、教科書上の話ではありません。国内外の大企業、自治体、医療機関、IT企業でも実際に被害が起きています。ここでは、近年の代表的な事例を整理します。

【2025年】アサヒグループHDのランサムウェア被害

アサヒグループホールディングスは、2025年9月に発生したサイバー攻撃によるシステム障害について公表しています。同社の調査結果と今後の対策に関する発表では、攻撃者がグループ拠点のネットワーク機器を通じてデータセンターネットワークに不正アクセスし、複数のサーバーやPCでランサムウェアが展開されたことが説明されています。

また、顧客、外部連絡先、従業員やその家族に関する個人情報が漏えいまたは漏えいのおそれがあることも公表されています。クレジットカード情報は含まれていないとされていますが、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどは、フィッシングや詐欺連絡に悪用される可能性があります。

この事例から分かるのは、サイバー攻撃は情報流出だけでなく、受注、出荷、物流、顧客対応などの業務全体に影響するということです。大企業であっても、攻撃を完全に防ぐことは簡単ではありません。

【2024年】KADOKAWA・ニコニコ動画のランサムウェア被害

2024年には、KADOKAWAグループとニコニコ関連サービスが大規模なサイバー攻撃を受けました。KADOKAWAはランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせで、フィッシングなどにより従業員のアカウント情報が窃取され、その情報を使って社内ネットワークに侵入され、ランサムウェアの実行および個人情報の漏えいにつながったと説明しています。

この事例で特に重要なのは、最初の入口が「従業員アカウント」だったと推測されている点です。高度な攻撃だけでなく、フィッシングや認証情報の窃取が大規模被害につながることを示しています。

また、サービス停止が長期化し、ユーザー、クリエイター、教育関連の関係者など、多くの人に影響が及びました。サイバー攻撃は、システム部門だけの問題ではなく、事業継続、顧客対応、広報、法務まで巻き込む経営課題です。

【2024年】イセトーのランサムウェア被害|自治体・企業150万件超の情報流出に発展

2024年には、印刷・情報処理サービスを手がけるイセトーがランサムウェア被害を受け、自治体や企業など委託元の情報流出に影響が広がりました。報道では、流出した個人情報は約150万件に上るとされています。

この事例は、サプライチェーン攻撃や委託先リスクを考えるうえで非常に重要です。委託先が攻撃されると、自社が直接攻撃されていなくても、自社の顧客情報や住民情報が流出する可能性があります。

企業は、自社のセキュリティだけでなく、委託先や取引先がどのようなセキュリティ対策をしているかも確認する必要があります。特に個人情報、金融情報、医療情報、自治体情報を扱う委託業務では、契約時のチェックだけでなく、継続的な確認が重要です。

【2024年】Microsoft社への国家支援型攻撃|幹部メールが大規模流出

Microsoftは2024年、ロシアの国家支援型攻撃者として知られるMidnight Blizzardによる攻撃を受けたことを公表しました。Microsoftの公式発表では、同社のセキュリティチームが2024年1月12日に企業システムへの国家支援型攻撃を検知し、調査と対処を開始したとされています。

この攻撃では、一部の企業メールアカウントがアクセスされ、幹部、サイバーセキュリティ、法務などのチームに関連するメールや文書が窃取されたと説明されています。

世界最大級のIT企業であっても、国家支援型の高度な攻撃を完全に避けることは容易ではありません。この事例は、セキュリティ対策に「絶対安全」はないこと、そして検知・対応・再発防止の体制が重要であることを示しています。

サイバー攻撃を受けるとどうなる?被害の実態

サイバー攻撃の怖さは、画面上のトラブルで終わらないことです。個人であればお金や信用、企業であれば業務停止や顧客離れに直結します。

個人が被害を受けた場合

個人がサイバー攻撃を受けると、次のような被害が起こります。

  • クレジットカードの不正利用
  • ネットバンキングからの不正送金
  • SNSやメールアカウントの乗っ取り
  • 通販サイトでの不正購入
  • 個人情報のダークウェブ流通
  • 家族や友人への詐欺メッセージ送信

特にメールアカウントを乗っ取られると、被害が広がりやすくなります。多くのサービスでは、パスワード再設定メールがメールアドレスに届くため、メールを奪われると他のサービスも乗っ取られる可能性があります。

また、ネットバンキングの不正送金は被害額が大きくなりやすいです。警察庁によると、2024年のインターネットバンキング不正送金被害額は約86億8,900万円でした。フィッシングメールや偽SMSを軽く見ないことが大切です。

企業が被害を受けた場合

企業がサイバー攻撃を受けると、被害はシステム部門だけにとどまりません。

  • 業務システムの停止
  • 受注・出荷・請求・顧客対応の停止
  • 顧客情報や取引先情報の流出
  • 損害賠償や補償対応
  • 個人情報保護委員会への報告や本人通知
  • ブランドイメージの低下
  • 取引先からの信用低下

個人データの漏えい等が発生し、個人の権利利益を害するおそれがある場合は、個人情報保護委員会への報告および本人への通知が必要になります。

また、被害発生後は調査費用、復旧費用、広報対応、問い合わせ対応、再発防止策の導入など、直接的なシステム復旧以外にも大きなコストが発生します。

ダークウェブに流れた情報の末路

サイバー攻撃で盗まれた情報は、ダークウェブや犯罪者向けのフォーラムで売買・共有されることがあります。

流通しやすい情報には、次のようなものがあります。

  • メールアドレスとパスワード
  • クレジットカード情報
  • 氏名、住所、電話番号、生年月日
  • 社員アカウントやVPN情報
  • 社内資料、契約書、顧客リスト
  • クラウドサービスの認証情報

一度流出した情報を完全に削除することは、基本的に難しいです。元の掲載場所が消えても、コピーが別の場所に残ることがあります。

そのため、重要なのは「流出した情報を悪用されにくい状態にすること」です。パスワード変更、多要素認証、カード停止、ログイン履歴確認、ダークウェブモニタリングなどを組み合わせる必要があります。

企業の場合は、CyberCrewのダークウェブモニタリングサービスのように、自社ドメインや社員アカウントに関連する漏えい情報を継続的に確認する仕組みが有効です。

今すぐできるサイバー攻撃対策6選

サイバー攻撃というと難しく感じますが、基本的な対策の積み重ねで防げる被害も多くあります。ここでは、個人でも企業でも今日から実践できる対策を6つ紹介します。

OS・アプリを常に最新版にする

最も基本で、最も重要な対策がアップデートです。OS、スマホアプリ、ブラウザ、WordPress、VPN機器、ネットワーク機器などに脆弱性が見つかると、攻撃者はその情報をもとに攻撃を始めます。

アップデートを後回しにしている間に、攻撃されることがあります。

個人であれば、次の設定を確認してください。

  • Windows Updateを自動更新にする
  • iPhone・AndroidのOSアップデートを適用する
  • Chrome、Edge、Safariなどのブラウザを更新する
  • 使っていないアプリを削除する

企業であれば、端末だけでなく、VPN、ファイアウォール、サーバー、クラウド設定、CMS、プラグインまで含めて更新状況を管理する必要があります。

パスワード管理を徹底する

パスワードの使い回しは、サイバー攻撃の被害を広げる大きな原因です。一つのサービスからメールアドレスとパスワードが漏れると、攻撃者は同じ組み合わせで他のサービスにもログインを試みます。

最低限、次のルールを守ってください。

  • 同じパスワードを複数サービスで使わない
  • 短いパスワードや誕生日を使わない
  • メール、銀行、SNS、クラウドは必ず別パスワードにする
  • 多要素認証を設定する
  • パスワード管理ツールを使う

覚えきれない場合は、パスワード管理ツールを使う方が安全です。無理に覚えようとして単純なパスワードを使い回すより、ツールで長く複雑なパスワードを管理する方が現実的です。

怪しいメール・SMS・URLを見分ける

フィッシング詐欺を防ぐには、メールやSMSの見分け方を知ることが大切です。

次のチェックリストに当てはまる場合は、すぐにリンクを開かないでください。

  • 送信元メールアドレスのドメインが不自然
  • 本文で「至急」「本日中」「停止します」と急かしている
  • 日本語が不自然、または妙に機械的
  • URLが公式サイトと違う
  • 添付ファイルを開かせようとしている
  • ログイン情報やカード番号の入力を求めている

判断に迷った場合は、メール内のリンクを押さず、公式アプリやブックマークからアクセスしてください。銀行、カード会社、配送業者を名乗るSMSほど慎重に見るべきです。

セキュリティソフトを導入する

セキュリティソフトは、マルウェア感染、危険なサイト、フィッシング、迷惑メールなどのリスクを下げるために役立ちます。

無料版でも一定の保護はありますが、有料版では次のような機能が含まれることがあります。

機能無料版に多い範囲有料版に多い範囲
ウイルス検知基本的な検知高度な検知、リアルタイム保護
フィッシング対策限定的危険サイト警告、ブラウザ保護
VPNなし、または容量制限あり無制限または大容量
個人情報監視なしの場合が多いメール・カード情報などの監視
サポート限定的電話・チャット・復旧支援など

個人であれば、マカフィー、ノートン、ウイルスバスターなどの総合セキュリティソフトを比較し、自分の端末数や使い方に合うものを選ぶとよいです。

公共Wi-Fi使用時はVPNを使う

カフェ、駅、ホテル、空港などの公共Wi-Fiは便利ですが、通信の盗み見や偽Wi-Fiへの接続リスクがあります。

公共Wi-Fiで特に避けたい行動は、次のとおりです。

  • ネットバンキングへのログイン
  • クレジットカード情報の入力
  • 会社の管理画面へのアクセス
  • 重要ファイルの送受信

VPNは、通信を暗号化して第三者から見えにくくする仕組みです。公共Wi-Fiをよく使う人、出張が多い人、カフェで作業する人は、VPNの利用を検討してください。

ただし、VPNを使えばすべて安全というわけではありません。偽サイトに自分でパスワードを入力してしまえば、VPNを使っていても情報は盗まれます。VPNはあくまで通信経路の保護であり、フィッシング対策とセットで考える必要があります。

SNSのプライバシー設定を見直す

SNSもサイバー攻撃の入口になります。公開情報が多すぎると、攻撃者は家族構成、勤務先、誕生日、旅行予定、人間関係などを把握し、詐欺やなりすましに悪用できます。

見直したい項目は次のとおりです。

  • 投稿の公開範囲
  • 位置情報の自動付与
  • 友達リストやフォロー情報の公開範囲
  • 誕生日・勤務先・学校名の公開
  • ログイン通知
  • 連携アプリの権限
  • 多要素認証の設定

SNSの乗っ取りは、自分だけでなく家族や友人にも被害が広がります。乗っ取られたアカウントから「投資で儲かった」「電子マネーを買ってほしい」といった詐欺メッセージが送られることもあります。

サイバー攻撃対策ならCyberCrew

個人であれば、アップデート、パスワード管理、多要素認証、セキュリティソフトの導入で多くのリスクを下げられます。一方で、企業の場合はそれだけでは足りません。

企業には、外部公開システム、クラウド、VPN、社内ネットワーク、従業員アカウント、取引先との接続、委託先管理など、守るべき範囲が広くあります。さらに、攻撃を受けたときには、検知、隔離、調査、報告、復旧、再発防止まで対応する必要があります。

CyberCrewは、ホワイトハッカーが在籍するサイバーセキュリティ専門企業として、攻撃者視点の実践的なセキュリティ支援を行っています。

CyberCrewの強みは、次の5つです。

「自社が攻撃されたらどこから入られるのか」「社員アカウントが漏れていないか」「脆弱性診断とペネトレーションテストのどちらが必要か分からない」という段階でも問題ありません。

まずは現在の状況を整理し、優先順位をつけることが大切です。

サイバー攻撃の被害に遭ったら?初動対応フロー

サイバー攻撃は、予防だけでなく、被害に気づいた後の初動も重要です。最初の対応を誤ると、被害範囲が広がったり、証拠が失われたりします。

個人編 被害を発見した時の5ステップ

個人で「乗っ取られたかもしれない」「カード情報を入力してしまった」「ウイルス感染したかもしれない」と感じたら、次の順番で対応してください。

  1. 端末をネットワークから切断する
    不審なアプリを入れた、遠隔操作を許可した、怪しいファイルを開いた場合は、Wi-Fiやモバイル通信を切ります。
  2. 重要アカウントのパスワードを変更する
    メール、銀行、カード、SNS、Apple ID、Googleアカウントなどを優先します。変更は安全な別端末から行ってください。
  3. カード会社・銀行へ連絡する
    カード番号や銀行情報を入力した場合は、すぐに利用停止や再発行を相談します。
  4. 警察・国民生活センター・IPAへ相談する
    金銭被害や詐欺被害がある場合は警察へ、技術的な不安はIPAの相談窓口も利用できます。
  5. セキュリティソフトでスキャンする
    マルウェア感染の疑いがある場合は、信頼できるセキュリティソフトでスキャンします。

焦って再起動を繰り返したり、見知らぬサポート窓口に電話したりしないでください。特に遠隔操作を許可してしまった場合は、早急な対応が必要です。

企業編 インシデント発生時の初動

企業でサイバー攻撃が疑われる場合は、現場判断だけで対応せず、あらかじめ決めたインシデント対応フローに沿って動く必要があります。

基本的な初動は、次の流れです。

  1. 被害範囲の特定と隔離
    感染端末、侵害サーバー、不審アカウントを確認し、必要に応じてネットワークから切り離します。
  2. 証拠保全
    ログ、端末、通信記録、アラート、メールなどを保全します。むやみに初期化すると調査が難しくなります。
  3. 経営層・関係部門へ報告
    情報システム部門だけで抱え込まず、法務、広報、経営層、関係事業部と連携します。
  4. 必要な報告・相談
    個人データ漏えいのおそれがある場合は、個人情報保護委員会への報告と本人通知が必要になるケースがあります。
  5. 専門家によるフォレンジック調査
    侵入経路、影響範囲、情報流出の有無、再侵入リスクを調査します。

JPCERT/CCはインシデント相談・情報提供を受け付けています。個人情報の漏えい等に関しては、個人情報保護委員会の漏えい等の対応とお役立ち資料も確認してください。

相談できる公的機関・専門企業一覧

サイバー攻撃の被害に遭った場合、相談先を知っておくことも大切です。

相談先向いている内容リンク
警察庁・都道府県警察サイバー犯罪、詐欺、金銭被害、被害届の相談サイバー事案に関する相談窓口
IPAウイルス、不正アクセス、偽警告などの技術的相談情報セキュリティ安心相談窓口
JPCERT/CC企業・組織のインシデント対応相談インシデント相談・情報提供
個人情報保護委員会個人データ漏えい時の報告・本人通知漏えい等の対応
CyberCrew企業の被害調査、脆弱性診断、ペネトレーションテスト、ダークウェブ調査CyberCrew公式サイト

企業の場合、初動対応の遅れが被害拡大につながります。攻撃を受けてから相談先を探すのではなく、平時から連絡先と対応手順を決めておくことをおすすめします。

初動対応は、被害発生後の拡大を防ぐうえで非常に重要です。事前の脆弱性診断ペネトレーションテストで侵入リスクを減らすことはもちろん、万が一被害が発生した際にもCyberCrewでは緊急のインシデント対応窓口を設けています。「攻撃を受けたかもしれない」「身代金を要求された」「不審なログインがあった」という場合は、まずはご連絡ください。

サイバー攻撃に関するよくある質問

最後に、サイバー攻撃について検索されやすい質問に回答します。家族や社内向けに説明するときにも使いやすい内容です。

なぜ病院がサイバー攻撃されたのですか?

病院が狙われる理由は、主に3つあります。

1つ目は、患者の個人情報や医療データを大量に持っていることです。氏名、住所、保険情報、診療情報、検査結果などは、攻撃者にとって価値のある情報です。

2つ目は、システム停止が人命や診療に直結することです。電子カルテや検査システムが止まると、診療を制限せざるを得ない場合があります。そのため、攻撃者は「止められると困る組織」として病院を狙います。

3つ目は、医療機関によってはセキュリティ対策やIT人材が十分でないことです。厚生労働省も医療分野のサイバーセキュリティ対策を案内し、サイバー攻撃を受けた際の速やかな報告を求めています。

病院がサイバー攻撃を受けたらどうすればいいですか?

病院がサイバー攻撃を受けた場合は、まず感染端末や影響範囲を確認し、必要に応じてネットワークから隔離します。そのうえで、診療継続のための代替手段を確保し、電子カルテが使えない場合は紙運用への切り替えも検討します。

同時に、厚生労働省、警察、JPCERT/CC、個人情報保護委員会などへの報告・相談が必要になる場合があります。医療機関は患者の安全が最優先です。技術対応、診療継続、広報、患者説明、個人情報対応を並行して進める必要があります。

自力で原因や影響範囲を判断するのは難しいため、早い段階でフォレンジック調査やセキュリティ専門家の支援を受けることが重要です。

なぜ病院内はスマホが禁止されているのですか?

病院内でスマホ利用が制限される理由としては、医療機器への電波干渉リスク、通話による迷惑、患者のプライバシー保護などがあります。

サイバーセキュリティの観点でも注意点があります。たとえば、不正アプリが入ったスマホを院内Wi-Fiに接続することで、ネットワーク上のリスクが増える可能性があります。また、患者情報や画面を無断で撮影してしまうと、個人情報流出につながります。

最近は、病院によってスマホ利用ルールが緩和されている場合もあります。ただし、利用可能な場所、撮影禁止、院内Wi-Fiの使い方、業務端末との接続ルールは必ず守る必要があります。

サイバー攻撃で最も多いのは何ですか?

「件数」で見るか、「被害額・影響」で見るかによって答えは変わります。

個人が遭遇しやすい攻撃として多いのは、フィッシング詐欺です。警察庁も、2024年のインターネットバンキング不正送金被害の多くは、金融機関等を装ったフィッシングによるものと考えられると説明しています。

企業への影響が大きい攻撃としては、ランサムウェアが非常に深刻です。IPAの情報セキュリティ10大脅威 2026でも、組織向けの1位は「ランサム攻撃による被害」です。

つまり、個人はフィッシング、企業はランサムウェアとサプライチェーン攻撃を特に警戒すべきです。

まとめ|サイバー攻撃は正しく理解すれば、今日から対策できる

サイバー攻撃とは、インターネットやネットワークを悪用して、PC、スマホ、サーバー、クラウド、アカウントなどに不正な行為をすることです。

ランサムウェア、フィッシング、標的型攻撃、DDoS攻撃、サプライチェーン攻撃、ゼロデイ攻撃など、手口はさまざまです。しかし、基本を整理すれば決して理解できないものではありません。

個人にとっては、ネットバンキングの不正送金、クレジットカード不正利用、SNS乗っ取り、個人情報流出などが現実的な被害です。企業にとっては、業務停止、情報漏えい、信用低下、法的対応、復旧費用が大きな問題になります。

まず今日からできることは、次の6つです。

  • OS・アプリを最新版にする
  • パスワードを使い回さない
  • 多要素認証を設定する
  • 怪しいメール・SMSのリンクを開かない
  • セキュリティソフトやVPNを適切に使う
  • SNSの公開範囲と連携アプリを見直す

そして企業の場合は、「守っているつもり」で終わらせず、攻撃者視点で点検することが重要です。外部から見える脆弱性、漏えい済み認証情報、クラウド設定、社内ネットワーク、インシデント対応体制まで確認する必要があります。

CyberCrewでは、ホワイトハッカーによる脆弱性診断、ペネトレーションテスト、ダークウェブモニタリング、AI時代のセキュリティリスク評価を通じて、企業のサイバー攻撃対策を支援しています。

サイバー攻撃は怖いものです。ただ、正しく理解し、基本対策を積み重ね、必要に応じて専門家に相談すれば、被害を大きく減らすことはできます。

投稿者プロフィール

中川 貴行
中川 貴行
Head of Business / Evangelist
CyberCrewの事業責任者として、企業の情報セキュリティ対策を総合的に支援。脆弱性診断やペネトレーションテスト、インシデント対応、セキュリティ教育まで幅広い領域を統括し、企業ごとの課題やリスクに応じた最適な支援体制の構築を推進しています。ホワイトハッカーの知見と事業視点をつなぎ、現場で機能する実践的なセキュリティ対策の提供を通じて、企業の安全なIT環境づくりを支えています。

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