
株式会社CyberCrewは、当社に所属するホワイトハッカーのIsuka Sanujが報告に携わった脆弱性「CVE-2026-85769」が、Red Hatの公式CVE情報に掲載されましたので、お知らせいたします。
Red Hatが公開するCVE情報では、本脆弱性について技術的な分析や影響度、CVSSスコアなどが公開されており、「Acknowledgements(謝辞)」において、Isuka Sanuj(CyberCrew Inc.(株式会社CyberCrew))およびLeyao(ICT CAS)が本脆弱性の報告者として明記されています。
Red Hatは、企業向けLinux「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」をはじめ、クラウド、コンテナ、仮想化などのエンタープライズ向けオープンソース技術を提供する世界的なIT企業です。
Red HatのCVE情報は、同社製品に関連する脆弱性について、利用企業やシステム管理者、セキュリティ担当者が影響や対応状況を確認するために公開されている公式の製品セキュリティ情報です。
今回のCVE-2026-85769についても、Red Hatによる技術的な分析と影響評価が行われ、その公式情報の中でCyberCrewのメンバーが報告者として明記されました。
CVE-2026-85769について
CVE-2026-85769は、ソフトウェアによるTPM 2.0(Trusted Platform Module)のエミュレーション機能を提供するライブラリ「libtpms」に存在する、境界外読み取り(Out-of-bounds Read/CWE-125)の脆弱性です。
Red Hatの説明によると、TPM 2.0の状態を復元する処理において、不正に細工されたステートデータが入力された場合、入力バッファーの残りサイズに対して適切に検証されていない値が処理される可能性があります。
これにより内部のサイズ計算に問題が生じ、その後の境界チェックを回避して、TPMの状態データを保持するヒープバッファーの範囲外を読み取る可能性があります。
本脆弱性が悪用された場合、libtpmsを利用するプロセス(swtpmなど)がクラッシュし、エミュレートされたTPMデバイスや、それに依存する仮想マシンの可用性に影響を与える可能性があります。Red Hatでは、現時点で情報漏えいやコード実行につながる経路は確認されていないとしています。
Red Hatは本脆弱性の影響度を「Moderate」、CVSS v3.1の基本スコアを「6.5」と評価しています。
CVSSベクターは以下のとおりです。
CVSS:3.1/AV/AC/PR/UI/S/C/I/A
本脆弱性は、TPM 2.0サポートを有効にしてコンパイルされたlibtpmsに影響し、TPM 1.2のみを使用するビルドには該当しないとされています。
また、Red Hat Product Securityの基準を満たす有効な緩和策は、現時点では提供されていません。
CyberCrewは、ホワイトハッカーによる実践的な知見をもとに、国内外を問わず責任ある脆弱性報告とセキュリティ向上への貢献に取り組んでいます。
今後も、攻撃者視点に基づく診断・検証やセキュリティリサーチを通じて、お客様の安全な事業運営と、インターネットを利用するすべての人が安心して利用できる環境づくりに寄与してまいります。
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Red Hat「CVE-2026-85769」





