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検知は速いのに防げない?「ポストアラートギャップ」が企業を危険にさらす理由

最新の調査や業界レポートによると、サイバー攻撃のスピードは急速に加速しており、検知自体は高速化している一方で、その後の対応に大きな遅れが生じている可能性が指摘されています。本記事では「ポストアラートギャップ」と呼ばれる見えにくいリスクに焦点を当て、日本企業にとっての実務的な影響と対策を解説します。The Hacker News:Your MTTD Looks Great. Your Post-Alert Gap Doesn’t

この記事のポイント

影響のあるシステム

  • EDR(エンドポイント検知・対応)製品
  • SIEM(セキュリティ情報イベント管理)
  • クラウドセキュリィ監視ツール
  • メールセキュリティ・ID管理システム
  • SOC(セキュリティオペレーションセンター)全般

推奨される対策

  • アラート発生後の調査プロセスを短縮する仕組みの導入
  • 複数ツールに分散したログ・証跡の統合と可視化
  • アラートの優先順位付けと自動トリアージの強化
  • AIを活用した調査・分析プロセスの自動化検討
  • 検知精度の改善とフィードバックループの高速化

上記の対策は、元記事の事実に基づき日本の読者向けに整理したものです。

この記事に出てくる専門用語

  • MTTD:Mean Time To Detectの略。脅威を検知するまでの平均時間を示す指標です。
  • SOC:セキュリティ監視やインシデント対応を行う組織・機能のことです。
  • EDR:端末の挙動を監視し、不審な活動を検知・対応するセキュリティ技術です。
  • SIEM:ログやイベントを集約・分析し、脅威検知を行うシステムです。

攻撃スピードの加速と防御側の課題

近年の調査では、サイバー攻撃者の活動スピードが大幅に向上していると報告されています。例えば、攻撃の侵入から横展開までの平均時間が約29分、さらには攻撃者間の役割引き継ぎがわずか22秒程度で行われるケースも確認されています。このような環境では、従来の「検知できているか」という視点だけでは不十分になりつつあります。

実際、多くの企業ではEDRやSIEMなどの導入により検知速度自体は改善しており、既知の攻撃手法に対してはほぼリアルタイムでアラートが発生する状況に近づいています。しかし、問題はその後です。アラートが発生してから実際に人が確認し、調査し、対応を開始するまでの時間が攻撃者にとっての“自由時間”になっている可能性があります。このギャップが、結果として被害拡大につながるリスクを高めています。

「ポストアラートギャップ」とは何か

ポストアラートギャップとは、アラートが発生してから実際に調査・対応が開始されるまでの遅延を指す概念です。多くのSOCでは、アラートはキューに蓄積され、担当者が順次処理していく形が一般的です。しかし、担当者が別のインシデント対応中であったり、複数ツールにまたがる情報収集が必要であったりするため、即座に対応できないケースが少なくありません。

さらに、調査には複数のログ確認や相関分析が必要となり、1件あたり20〜40分程度の作業時間がかかるとされています。この間にも攻撃者はネットワーク内で活動を進める可能性があり、結果として検知が間に合っていても対応が間に合わないという状況が発生します。従来のMTTDはアラート発生までの時間しか測定しないため、この重要な遅延が評価指標に含まれていない点も課題とされています。

AIによる調査自動化と今後の対応指標

こうした課題に対し、AIを活用した調査自動化の取り組みが注目されています。AIがアラート発生と同時に調査を開始し、関連ログの収集や分析を短時間で実施することで、従来の人的対応に比べて大幅な時間短縮が期待されます。このアプローチでは、アラートの待機時間がほぼゼロとなり、調査プロセス全体が数分以内に完了する可能性もあるとされています。

また、評価指標も変化しつつあります。従来のMTTDに加え、「どれだけのアラートが完全に調査されたか」「検知範囲がどれだけ網羅されているか」「誤検知の改善がどれだけ迅速に行われているか」といった観点が重視されるようになっています。日本企業においても、単なる検知速度の改善にとどまらず、調査・対応の全体プロセスを見直し、実際のリスク低減につながる運用体制の構築が求められると考えられます。

参考文献・記事一覧

投稿者プロフィール

CyberCrew(サイバークルー)
CyberCrew(サイバークルー)
CyberCrew(サイバークルー)は、企業の情報セキュリティをトータルで支援する専門チームです。高度なスキルを持つホワイトハッカーが在籍し、サイバー攻撃の監視・検知から初動対応、リスク診断や従業員向けのセキュリティ教育まで、幅広いサービスを提供。企業のニーズに応じた柔軟な対応で、安心・安全なIT環境の実現をサポートします。

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