
Fortinetは、同社のSIEM製品であるFortiSIEMにおいて、未認証の攻撃者がリモートからコードを実行できる深刻な脆弱性を修正したと発表しました。この問題は、特定の通信ポートを通じて細工されたリクエストを送信することで、システム全体の制御を奪われる可能性があると報告されています。すでに実証コード(PoC)や実環境での攻撃観測も公表されており、影響を受ける環境では迅速な対応が求められます。
The Hacker News: Fortinet Fixes Critical FortiSIEM Flaw Allowing Unauthenticated Remote Code Execution
この記事のポイント
影響のあるシステム
- FortiSIEM 6.7.0 ~ 6.7.10
- FortiSIEM 7.0.0 ~ 7.0.4
- FortiSIEM 7.1.0 ~ 7.1.8
- FortiSIEM 7.2.0 ~ 7.2.6
- FortiSIEM 7.3.0 ~ 7.3.4
- FortiSIEM 7.4.0
- SuperノードおよびWorkerノード
推奨される対策
- Fortinetが提供する修正版へのアップグレードを速やかに実施する
- phMonitorサービスが使用するTCPポート7900へのアクセスを制限する
- 外部ネットワークからFortiSIEM管理系ポートが到達可能かを確認する
上記の対策は、元記事の事実に基づき日本の読者向けに整理したものです。
この記事に出てくる専門用語
- CVE-2025-64155:FortiSIEMに存在するOSコマンドインジェクションの脆弱性を識別するIDです。
- CVSS:脆弱性の深刻度を数値化する共通指標です。
- OSコマンドインジェクション:外部入力を通じて意図しないOSコマンドが実行される問題です。
- phMonitor:FortiSIEM内部で稼働する監視・通信を担うバックエンドサービスです。
未認証で成立する攻撃シナリオと影響
今回修正された脆弱性は、認証を一切必要としない点が大きな特徴です。攻撃者はFortiSIEMが利用する特定の通信ポートにアクセスできれば、ログイン情報を持たずとも不正な処理を実行できる可能性があります。報告によると、まず管理者権限で任意のファイルを書き換えることができ、その後、定期的に実行されるスクリプトを悪用することで、最終的にはroot権限を取得できるとされています。これにより、監視対象ログの改ざんや削除、さらにはFortiSIEM自体を踏み台とした内部ネットワークへの侵入など、広範な影響が生じる可能性があります。SIEMはセキュリティの中核を担う存在であるため、その侵害は組織全体の防御体制を根本から揺るがす事態につながりかねません。
技術的背景と脆弱性の仕組み

この問題の根本原因は、FortiSIEMのphMonitorサービスが受信するTCPリクエストの処理方法にあります。外部から渡されたパラメータが適切に無害化されないまま、内部のシェルスクリプト呼び出しに利用されていたと説明されています。その結果、curlの引数として細工された値を注入することで、任意のファイル書き込みが可能になっていました。さらに、その書き込み先として、管理者が書き込み可能で、かつ定期的にroot権限で実行されるスクリプトが存在していた点が、完全な権限昇格につながったとされています。研究者による検証では、この一連の流れがネットワーク越しに成立することが示されており、実証コードも公開されています。
国内組織が直ちに確認すべき点
日本国内でFortiSIEMを運用している組織にとって、まず確認すべきは自社環境のバージョンと構成です。特にSuperノードやWorkerノードが外部ネットワークから直接アクセス可能な状態になっていないか、phMonitorが使用するポート7900がファイアウォールで適切に制御されているかを点検する必要があります。加えて、修正済みバージョンへのアップグレードが完了していない場合は、暫定的な回避策としてネットワークレベルでの遮断を検討することが重要です。すでに攻撃観測が報告されていることから、「まだ被害は出ていない」という前提ではなく、早期対応を前提とした判断が求められます。
参考文献・記事一覧
投稿者プロフィール

- CyberCrew_
- CyberCrew(サイバークルー)は、企業の情報セキュリティをトータルで支援する専門チームです。高度なスキルを持つホワイトハッカーが在籍し、サイバー攻撃の監視・検知から初動対応、リスク診断や従業員向けのセキュリティ教育まで、幅広いサービスを提供。企業のニーズに応じた柔軟な対応で、安心・安全なIT環境の実現をサポートします。
最新の投稿
2026.02.02初期侵入を狙う中国系脅威アクター、Sitecore脆弱性悪用の詳細
2026.02.01FortiSIEMの致命的脆弱性が判明、ネットワーク越しに完全侵害の恐れ
2026.01.31SOCのMTTRを悪化させる4つの古い運用習慣──2026年に見直すべき運用の盲点
2026.01.30WordPressプラグイン「Modular DS」に深刻な脆弱性、管理者権限を奪取される恐れ





