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ランサムウェア対策ソフトおすすめ比較【2026年最新】個人・企業別に徹底解説

ランサムウェア対策ソフトを探している方へ、先に結論をお伝えします。

個人なら総合防御のしやすいノートン 360、IT専任がいない中小企業なら既存ソフトに追加しやすいAppCheck、IT担当がいる中堅企業以上ならEPPに加えてEDRまで含めた構成が現実的です。

国内のランサムウェア被害報告件数は、警察庁「令和6年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」によれば、2020年下半期の21件から2024年の222件まで急増しています。

IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、「ランサム攻撃による被害」は組織向け脅威の1位とされています。

この記事では、次の3点をわかりやすく整理します。

  • ランサムウェア対策ソフトの種類と選び方
  • 個人・企業別のおすすめ製品
  • 無料ソフトやWindows Defenderだけで十分かどうかの判断基準

なお、自社でソフトを導入するだけでは対策が不十分なケースがあります。まずは無料でセキュリティ会社へ相談してみることがおすすめです。

TABLE OF CONTENTS

ランサムウェア対策ソフトが今すぐ必要な理由

「危ないとは思うけれど、何を基準に対策すべきか分からない」。このような悩みを抱えている人も多いでしょう。
まずは、国内の被害動向と攻撃の実態から、なぜ今対策ソフトが必要なのかを整理します。

国内被害件数は5年で10倍以上に増加

警察庁の集計では、企業・団体等におけるランサムウェア被害の報告件数は、2020年下半期の21件から、2024年には222件まで増えています

半期ベースで見ても、2021年は61件・85件、2022年は114件・116件、2023年は103件・94件、2024年は114件・108件で推移しており、さらに2025年上半期も116件と高水準が続いています。

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」でも、「ランサム攻撃による被害」は組織向け脅威の1位で、2016年の初選出以来11年連続で取り上げられています。

時期被害報告件数
2020年下半期21件
2021年上半期61件
2021年下半期85件
2022年上半期114件
2022年下半期116件
2023年上半期103件
2023年下半期94件
2024年上半期114件
2024年下半期108件

しかも、被害は大企業だけの話ではありません
警察庁の資料では、2024年は中小企業140件・大企業61件・団体等21件で、中小企業が全体の約63%を占めました。
2025年上半期も中小企業77件で、全体の約3分の2です。
「うちは規模が小さいから優先度は低いだろう」という見方は、現状と合っていません。

「バックアップがあるから大丈夫」は過去の話

バックアップは今でも極めて重要です。ただし、「バックアップがあるから安心」と言い切れる時代ではありません
CISAのStopRansomware Guideでも、最近のランサムウェアはアクセス可能なバックアップを探して削除・暗号化しようとするため、バックアップはオフラインまたはイミュータブルに保ち、定期的に復元テストする必要があると明記されています。

つまり、バックアップは“あること”より、“攻撃者から触れない形で維持できているか”が重要です。
さらに、身代金を支払っても復旧は保証されません。FBIは、身代金の支払いを推奨しておらず、支払ってもデータが戻る保証はないと明言しています。

支払いは攻撃者を利するだけでなく、同様の犯罪をさらに誘発する側面もあります。「暗号化されたら最後は払えば何とかなる」という期待は、実務的にも危険です。

従来のウイルス対策ソフトだけでは防げない理由

従来型のアンチウイルスは、既知の不正プログラムを定義ファイルやシグネチャで見分けて止めるのが基本です。
この方式は今でも有効ですが、未知の亜種や、正規ツールを悪用する手口、侵入後に横展開して暗号化を始める攻撃に対しては、それだけで十分とは言えません
Microsoft自身も、Microsoft Defender AntivirusをWindows標準の保護として提供する一方で、企業ではMicrosoft Defender for Endpointのように、侵害後の検知・調査・対応まで含む機能が必要になることを前提にしています。

特に企業環境では、「検知できたか」だけでなく、「どの端末から入り、どこまで広がり、何を止め、何を調べるか」が重要です。
Windows Defenderは最低限の基礎防御として有効ですが、企業のランサムウェア対策を単体で完結させる前提には向きません。

既存ソフトの有無にかかわらず、侵入前の防御、侵入後の可視化、復旧手段を分けて考える必要があります。自社だけでの対策が難しい場合は、セキュリティ会社に相談することで、十分な対策を構築することができるでしょう。

ランサムウェア対策ソフトの選び方

製品名だけ見ても、種類が多く、どれが最適か迷う人も多いでしょう。
選び方は「防御の層」「自社の規模・運用体制」「既存ソフトとの併用可否」の3つで整理すると、かなり判断しやすくなります。

対応している防御の層で選ぶ(侵入前・侵入後・復旧)

ランサムウェア対策ソフトは、役割の違いで大きく3つに分けて考えると理解しやすくなります。

1つ目のEPP(エンドポイント保護プラットフォーム)は、侵入そのものを防ぐための対策です。不正なWebサイトへのアクセスを止めたり、悪意のある添付ファイルや既知・未知のマルウェアの実行を防いだりすることで、被害の入口をふさぐ役割を担います。

2つ目のEDR(エンドポイント・ディテクション・アンド・レスポンス)は、万が一侵入を許した後に、その異常を検知し、端末上で何が起きているのかを可視化しながら、調査や封じ込めにつなげるための仕組みです。

3つ目のバックアップ・復旧型は、暗号化の兆候をとらえてファイルを退避したり、被害を受けたデータの復元を支援したりする役割があります。

つまり、これらはどれか1つで全てを解決する万能な製品ではなく、それぞれ守る範囲が異なります。自社に必要な対策を考える際は、この違いを踏まえて組み合わせを検討することが重要です。

自社の規模・IT体制で選ぶ

目安としては、個人・SOHOは「まず1製品で守りやすいか」、IT担当がいない中小企業は「導入と運用が軽いか」、IT担当がいる中堅企業は「ログやアラートを使って対応できるか」で分けると判断しやすいです。

個人利用や在宅ワーク中心なら、総合型のEPPで十分なケースが多いです。IT専任がいない中小企業なら、運用が重くないこと、既存ソフトに追加しやすいこと、復旧支援機能があることを優先した方が失敗しにくくなります。反対に、IT担当がいて端末台数も多い中堅企業では、EPPだけでなくEDRまで含めて、侵入後の調査と封じ込めができる構成が現実的です。

既存ソフトが既に入っている会社では、全面入れ替えより、追加導入で弱点を補う方がスムーズな場合も少なくありません。

既存のセキュリティソフトとの併用可否で選ぶ

現場では「今入っているウイルス対策ソフトを全部外して入れ替えるのは大変」という事情がよくあります。その点、AppCheckのように既存のアンチウイルスと共存しやすい製品は、導入のハードルを下げやすいのが利点です。既存環境を維持したまま、ランサムウェア特化の対策だけを厚くしたい会社には向いています。

一方で、EDRや統合型エンドポイント製品では、機能重複や管理競合を避ける設計が必要です。

Microsoftも、他社アンチウイルスが主製品であってもEDR in block modeのような連携形態を用意していますが、実際の構成は要件に応じた確認が必要です。「追加できるか」「入れ替えるべきか」は、性能だけでなく運用設計で決まります。

ランサムウェア対策ソフトが持つ主な機能

製品名で比較する前に、「そもそも何ができるソフトを選ぶべきか」を押さえておくと、比較表がかなり読みやすくなります。
ランサムウェア対策は単なる“駆除”ではなく、侵入を減らし、動きを見つけ、被害を復旧する部分まで含めて考えるのが基本です。

不正サイト・感染経路のブロック機能

多くのランサムウェア感染は、不審メール、悪意のあるURL、脆弱な公開機器など、複数の入口から始まります。

実際、警察庁「令和5年警察白書」では、2022年の感染経路としてVPN機器経由が62%、リモートデスクトップサービス経由が19%を占めていました。さらに、警察庁「令和6年警察白書」でも、2023年はVPN機器経由63%、リモートデスクトップサービス経由18%と、リモートアクセス経路が主要な侵入口である状況が続いています。

だからこそ、CISAのStopRansomware Guideでも推奨されているように、メールやURLのフィルタリング、不審サイトのブロックといった入口対策を基本として徹底することが重要です。

ウイルスのリアルタイム検知・駆除機能

リアルタイム検知とは、端末上で起こるファイルの作成や実行、外部との通信、暗号化のような挙動を継続的に監視し、不審な動きを検知した時点でその場でブロックしたり、隔離したりする仕組みです。

セキュリティ製品には、既知の脅威に強いシグネチャ型と、不自然な振る舞いや異常な操作を見て止める行動検知型があります。
シグネチャ型は従来から広く使われている一方で、未知の亜種への対応には限界があります。

そのため実務では、どちらか一方に頼るのではなく、両方の考え方を組み合わせて多面的に守れる製品のほうが安心です。

定義ファイルの自動アップデート機能

既知のマルウェアやその亜種への対応では、定義ファイルやエンジンの鮮度が重要です。
Microsoftも、Defender Antivirusを最新の状態に保つことが、新しいマルウェアや攻撃手法から守るために重要だと案内しています。

更新を手動任せにすると、忙しい現場では後回しになりやすく、その遅れがそのまま隙になります。自動でアップデート機能があるソフトを選ぶことで隙を減らすことができます。

ファイル・データの自動バックアップ&復元機能

ランサムウェア対策を考えるとき、どうしても「感染を防ぐこと」に意識が向きがちですが、実際には復旧機能も非常に重要です。

どれだけ対策を講じていても、被害を100%防ぎ切れるとは限りません。だからこそ、万が一暗号化が始まったときに、被害を最小限に抑えられる仕組みがあるかどうかは大きな差になります。

たとえばAppCheckのような製品は、ファイルの変化をリアルタイムで監視し、暗号化が疑われる動きを検知すると、ファイルを退避したり復元したりする仕組みを備えています。

単にデータを保存しておくだけでなく、暗号化の途中で異常を止めたり、直前の状態に戻したりできるかどうかは、製品を比較するうえでしっかり見ておきたいポイントです。

異常動作の行動検知機能(パターンファイル不要型)

未知のランサムウェアに備えるうえで重要なのは、既知の脅威を見分けるシグネチャだけに頼らないことです。近年は、少しずつ姿を変えた亜種や、新しく作られた攻撃手法が次々に出てくるため、定義ファイルだけでは追いつかない場面があります。

そこで注目したいのが行動検知です。行動検知型の製品は、パターンファイルだけに頼らず、ファイルが不自然に書き換えられる挙動そのものを監視することで、未知のランサムウェアにも対応しやすい設計になっています。

既存のセキュリティソフトと併用しやすい製品もあり、導入しやすさにつながります。新種や亜種への反応速度を重視するのであれば、この考え方はかなり重要です。

ランサムウェア対策ソフト おすすめ比較【2026年最新】

まずは比較表で全体像を確認し、そのうえで各製品の特徴を見ていくと、自社に合う候補を絞り込みやすくなります。価格や無料体験の有無は2026年3月10日時点の各社公式ページベースで整理しています。

製品名タイプ対象規模価格帯無料体験特徴一言
AppCheck / AppCheck Pro行動検知型・復旧支援型個人〜中小企業、ファイルサーバー9,600円/台/年〜、Server 360,000円/年〜(税別)あり他社AVと共存しやすい
ESET HOME セキュリティEPP(総合防御)個人〜中小規模企業4,750円/年〜30日軽量で多OS対応
ノートン 360EPP(個人向け総合)個人〜SOHO4,780円/年〜30日相当の体験導線ありVPNやバックアップも一体
ウイルスバスター クラウドEPP(総合防御)個人〜小規模法人7,480円/年〜30日国内向けサポートが手厚い
EDR系製品(Cybereason / CyCraft AIR 等)EDR中堅〜大企業要問い合わせ要問い合わせ侵入後の可視化・対応に強い

表のとおり、個人は総合型、中小企業は導入負荷が軽く追加しやすい製品、中堅以上はEPP+EDRの組み合わせが基本線です。
ランサムウェア専用性を重視するか、総合保護を重視するかで、選ぶ製品は変わります。

AppCheck/AppCheck Pro

AppCheckは、パターンファイルに依存せず、ファイルの異常な変更をリアルタイムに監視してランサムウェアを検知・遮断・復旧する方向に強みがある製品です。
未知のランサムウェアにも対応しやすく、既存のアンチウイルスと共存しやすい点が大きな特徴です。

実際、公式でも他社製品と一緒に使えることが訴求されており、「今の対策を全部捨てるのは難しい」という中小企業に噛み合いやすい設計です。

価格は、AppCheck Proが1デバイス年額9,600円、Windows Server版が年額360,000円、管理用のCMS Cloudが年額90,000円です。
評価版も用意されており、導入前に試しやすいのも利点です。

共有フォルダ保護やサーバー向け製品もあるため、ファイルサーバーを守りたい企業にも向いています。メリットは、未知のランサムウェアへの強さ、他社ソフトと併用しやすいこと、導入後の運用負荷が比較的軽いことです。

デメリットは、メールセキュリティやMDM、ID保護のような総合機能を1製品で全部まかなうタイプではないため、企業全体の防御をこれ単体で完結させるより、既存EPPに追加する使い方の方がしっくりくる点です。

中小企業で、まずランサムウェア対策を厚くしたい場合には、有力な候補のひとつです。

ESET セキュリティソフト

ESETは、軽さと防御力のバランスが取りやすい総合セキュリティ製品です。
個人向けページでも多OS対応が明確で、Windows、macOS、Android、iOSをまたいで使いやすく、30日無料体験もあります。
ESET全体としては世界で1億1,000万人超のユーザーを保護し、200以上の国と地域で利用されています。Google Chromeの不要ソフト対策で協業実績がある点も、技術面の信頼材料として見てよいでしょう。

価格はエッセンシャルが1台1年4,750円からで、複数台プランも用意されています。
メリットは、軽量で導入しやすいこと、詐欺対策や多OS対応を含めて総合力があること、個人から小規模オフィスまで横展開しやすいことです。
デメリットは、AppCheckのようなランサムウェア特化の自動復旧訴求を最優先したい場合には、役割の見え方がやや異なることです。
とはいえ、「1製品で広く守りたい」という人には非常に扱いやすい選択肢です。

ノートン 360

ノートン 360は、個人・SOHO・在宅ワーカー向けの総合型としてまとまりがよい製品です。
公式では、ウイルス・マルウェア・ランサムウェア保護に加え、VPN、パスワードマネージャー、Windows向けクラウドバックアップを提供しています。
上位プランではダークウェブモニタリングも利用できます。

PCに詳しくない人でも、「ひとまずこれ1本で守りやすい」と感じやすい構成です。スタンダードの価格は1年4,780円からです。

メリットは、個人利用に必要な機能が揃っていて、在宅勤務や副業用途でも使いやすいことです。デメリットは、企業での集中管理や本格的なインシデント調査を前提にした製品ではないため、会社全体の端末防御を任せるというより、個人や小規模用途向きである点です。

個人で「何を選べばいいか分からない」なら、最初の有力候補です。

ウイルスバスター クラウド

ウイルスバスター クラウドは、日本語サポートや国内利用を意識した機能の分かりやすさが魅力です。
公式では多層防御、ランサムウェア対策、ネット詐欺対策を打ち出しており、30日無料体験もあります。

国内ブランドの安心感や、家族利用・小規模事業での扱いやすさを重視する読者には相性がよい製品です。価格は年額7,480円からです。

メリットは、日本市場に合わせたサポートと説明のしやすさ、総合セキュリティ製品としての使いやすさです。
デメリットは、EDRのような侵入後の詳細調査や、AppCheckのような特化型の復旧支援と比べると、役割が総合型に寄っていることです。
「海外ベンダーより国内寄りの安心感を重視したい」という方には、十分検討に値します。

EDR系製品(中堅〜大企業向け)

中堅〜大企業で本格的にランサムウェア対策を考えるなら、EPPだけでなくEDRを視野に入れるべきです。
Cybereason EDRは、端末上の不審な挙動を継続監視し、クラウド上のAIで分析しながら、攻撃の全体像を可視化して迅速な対処を支援する製品です。
Microsoftの定義でも、EDRはほぼリアルタイムの高度な攻撃検知と、侵害全体の可視化、対応策の実行までを担う層です。
一方で、EDRは入れれば終わりではありません。
アラートを見る人、端末隔離や調査を判断する人、運用ルールが必要です。
CyCraft AIRのようにAIや自動分析を前面に出す製品もありますが、それでも社内担当者か外部委託先の運用前提は残ります。
価格は多くが要問い合わせで、IT担当がいない会社には過剰スペックになることもあります。情シス部門があり、侵入後の可視化と対応まで求める会社向けの選択肢です。

どのソフトを導入するか判断するのに、まずは自社が抱えているセキュリティリスクを把握することが重要です。CyberCrewでは脆弱性診断ペネトレーションテストによりセキュリティリスクを可視化します。まずはお問い合わせください。

【観点別】目的に合ったおすすめ対策ツール

同じ「ランサムウェア対策」でも、何を優先したいかで最適な製品は変わります。
侵入をまず防ぎたいのか、侵入後の可視化を重視するのか、共有サーバーを守りたいのかで考えると、自社にあったツールが見つけやすくなります。

エンドポイントでのランサムウェア検知におすすめ

IT担当者がいる中堅企業で、ランサムウェアの侵入後も含めて早い段階で異常を把握したいのであれば、EDR系製品は有力な選択肢になります。

EDRは、端末上で起きている不審な動きを継続的に監視し、単なる検知にとどまらず、どの端末で何が起き、どのように攻撃が進んだのかを可視化しやすいのが特徴です。

たとえばCybereason EDRのような製品は、攻撃の流れを追いながら、被害が広がる前に対応判断をしやすくしてくれます。

ただし、EDRは入れれば終わりではありません。検知精度の高さだけでなく、日々上がってくるアラートが現場で処理できる量か、隔離や調査の運用が社内で無理なく回るかまで含めて見ておくことが重要です。

導入前には、機能そのものよりも、自社の運用体制に合うかどうかを確認しておきたいところです。

エンドポイントでのランサムウェア遮断におすすめ

IT専任の担当者がいない中小企業では、「まず感染させないこと」と「導入後の運用をできるだけ重くしないこと」の両方を意識して製品を選ぶことが大切です。

その前提で考えると、ESETのような総合型のEPPや、AppCheckのようなランサムウェア対策に強みを持つ特化型製品は、現実的な候補になりやすいです。

たとえば、1本で幅広く守れる構成をシンプルに導入したいならESETが使いやすく、今入っているアンチウイルスを生かしながら、ランサムウェア対策だけを追加で強化したいならAppCheckが向いています。

大事なのは、機能の多さだけで決めないことです。導入後に誰が管理するのか、更新や通知への対応にどれだけ手間がかかるのかまで含めて考えないと、せっかく入れても使いこなせなくなることがあります。
中小企業では、性能だけでなく、無理なく回せるかどうかも重要な判断基準です。

ファイルサーバーでのランサムウェア検知におすすめ

共有ファイルサーバーを使っている企業では、1台の端末がランサムウェアに感染しただけでも、被害が共有フォルダ全体に広がってしまうおそれがあります。個人PCの問題で終わらず、業務データや部門共有の資料まで一気に暗号化されると、影響はかなり大きくなります。
そのため、この領域では端末単体の防御だけでなく、サーバー側や共有フォルダ側をどう守るかも重要です。
そうした観点で見ると、サーバー保護や共有フォルダ保護を明確に打ち出しているAppCheckのServer版は、検討しやすい製品のひとつです。
暗号化のような不審な挙動を検知して遮断し、共有領域への被害拡大を抑えやすい点は大きな強みです。
さらに、既存のセキュリティ環境に追加しやすい構成であれば、運用を大きく変えずに対策を強化しやすいというメリットもあります。
共有ファイルサーバーを守りたい企業にとっては、ネットワーク全体への感染拡大を抑える現実的な選択肢といえます。

ランサムウェアに感染してしまったときの対処法

ここからは、すでに感染してしまった場合の話です。焦る状況ですが、順番を誤ると被害を広げます。
パニックにならず、まずは拡大防止、次に確認、最後に通報・相談という流れで動くことが重要です。

感染直後にやるべき4ステップ

1. まずネットワークから即切断する。
有線ならLANケーブルを抜き、無線ならWi-Fiを切る、必要に応じて共有接続も止めます。
警視庁も、感染端末をネットワークから隔離することを明確に案内しています。
これは、他端末や共有フォルダへの横展開を防ぐためです。

2. 端末の電源はむやみに切らず、種類を特定する。
警視庁は、感染端末の電源を切らないよう案内しています。
復号や調査に必要な情報がメモリやログに残る可能性があるためです。
拡張子、脅迫文、検出名などを控え、どの系統のランサムウェアかを見極めます。

3. No More Ransomで無料復号を試す。
No More Ransomは、復号ツールやキーのリポジトリを提供しており、種類によっては支払いなしで復号できる場合があります。
もちろん全種類に対応しているわけではありませんが、確認する価値は十分あります。

4. 警察庁・警視庁・IPAへ通報・相談する。
警察庁は、被害に遭った場合は最寄りの警察署やサイバー犯罪相談窓口へ、通信ログなどを持参して通報・相談するよう案内しています。
IPAも企業向け相談窓口を設けています。東京の法人なら警視庁のサイバー相談窓口も利用できます。CyberCrewでは緊急対応窓口を設置しており、セキュリティ専⾨チームが迅速に対応します。

外部へ相談すると、被害拡大防止や再発防止の観点で得られる情報が増えます。

身代金は払うべきか?

結論から言えば、身代金の支払いはおすすめできません。

たしかに、業務が止まり、重要なデータも開けない状況では、「払ってでも早く戻したい」と考えてしまうのは自然です。しかし、支払ったからといって必ず復号されるとは限らず、元どおりに復旧できる保証もありません。

さらに、そこで支払われた資金は攻撃者側の利益となり、次の攻撃や新たな被害を生む土台にもなります。
実務面で見ても確実な解決策とは言えず、倫理面でも大きな問題があります。

だからこそ、被害に遭った場合でも、支払いを前提にするのではなく、まずは隔離、調査、復旧可能性の確認、関係機関への相談を優先すべきです。

感染後に導入すべき対策ソフトの選び方

再発防止を本気で考えるなら、感染した後こそ既存のセキュリティ対策を見直すべきです。

実際、一度被害に遭ったということは、どこかに見落としていた弱点があった可能性が高いからです。
今後は、侵入そのものを防ぐEPPと、侵入後の不審な動きを検知し、調査や対応につなげるEDRを分けて考え、できれば二重で備える構成を検討したいところです。

そのうえで大切なのは、「今使っているソフトで何が見えていて、何が見えていないのか」を整理することです。製品選びは、比較表を起点にしながら、自社の体制や運用負荷に合う形へ落とし込んでいくのが現実的です。

ランサムウェア対策ソフト以外にやるべき対策

ソフトを入れるだけでは十分ではありません。

警察庁やCISAが繰り返し示しているとおり、ランサムウェア対策は多層防御で考える必要があります。
最低限、次の5つはソフト導入とセットで進めてください。

  1. OSとソフトウェアを常に最新に保つ
    既知の脆弱性が放置されたVPN機器や公開サーバーは、典型的な侵入口です。
    警察庁の資料でも、VPNやRDP経由の侵入が大半を占めています。
    パッチ適用は地味ですが、最優先の予防策です。
  2. 定期的なオフラインバックアップを実施する
    バックアップは、ネットワーク直結のままでは不十分です。
    オフライン、暗号化、イミュータブル、復元テストまで含めて初めて意味があります。
    CISAもこの点を強く推奨しています。
  3. 不審メール・添付ファイルの開封訓練を行う
    フィッシングやなりすましは、今も有力な侵入口です。
    技術対策だけでなく、怪しいメールに反応しない文化を作ることが重要です。
  4. アクセス権限を最小化する
    誰でも共有フォルダを書き換えられる状態では、1台の感染が全社被害に広がりやすくなります。
    管理者権限、共有権限、保守用アカウントを見直し、不要な権限を削るだけでも被害範囲は変わります。
  5. 従業員へのセキュリティ教育を徹底する
    ランサムウェアは技術だけでなく、人の判断も突いてきます。
    最低限の教育と通報ルールを決めておくと、初動が早くなります。
    ソフトの効果は、こうした運用と組み合わせて初めて最大化します。

ランサムウェア対策ならCyberCrewの脆弱性診断・ペネトレーションテスト

ランサムウェア対策は、ソフト選びだけで完結するものではありません。

警察庁の資料でも、VPN機器やリモートデスクトップサービスなど、外部公開された経路が主要な侵入口になっています。
入口の脆弱性を残したままでは、エンドポイント製品を追加しても防御は片手落ちになりやすいのです。

なぜ脆弱性診断・ペネトレーションテストがランサムウェア対策になるのか

ランサムウェア被害は、単に不審なメールを開いてしまったことだけが原因とは限りません。
警察庁の資料でも、VPN機器やRDPの脆弱性、強度の弱い認証情報を悪用して侵入したと考えられる事例が多く報告されています。
だからこそ、攻撃者より先に外部公開面の弱点を見つけて修正することが、効果の高い予防策になります

脆弱性診断は、公開資産やシステムにある弱点を広く洗い出すのに向いています。
一方、ペネトレーションテストは、その弱点が実際にどこまで被害につながるかを検証するのに向いています。

ランサムウェア対策では、この二つを適切に使い分けることで、侵入口の縮小と優先度の高いリスクへの対処を進めやすくなります。

CyberCrewの脆弱性診断・ペネトレーションテストの特徴

CyberCrewのペネトレーションテストは、攻撃者視点の模擬攻撃を通じて、どこまで突破されるか、どこに影響するかを実践的に検証するサービスです。
単なる脆弱性の列挙ではなく、構成や運用を踏まえて本質的なリスクを見せる設計になっています。

脆弱性診断サービスも、ツール診断と手動診断を組み合わせながら、低コスト・高品質で幅広いシステムに対応する方針が明示されています。

また、CyberCrewは経済産業省の「情報セキュリティサービス基準」に基づく登録サービスであり、サービス台帳登録に関する案内でも、包括的なペネトレーションテスト、再テスト1回を標準価格に含むこと、外部委託を行わず一貫実施していることなどが示されています。

レポートの分かりやすさや改善提案まで含めて伴走支援を求める企業に向けて、当社では実務に即した診断・提案をご提供しています。

料金プラン・費用

CyberCrewでは、脆弱性診断サービスを10万円〜、Webアプリケーション向けペネトレーションテストを20万円〜、ネットワークペネトレーションテストを100万円〜でご提供しています。

実際の費用は、診断対象の範囲や環境、実施目的によって変動するため、個別にお見積もりしています。

無料相談も承っていますので、「自社では何から診断すべきか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。

ランサムウェア対策ソフトに関するよくある質問

ランサムウェア対策ソフトとは何ですか?

ランサムウェア対策ソフトとは、暗号化や不正なファイル変更などの挙動を検知し、遮断し、場合によっては復旧まで支援するソフトです。通常のアンチウイルスより、未知のランサムウェアや侵害後の被害抑止まで意識している点が違いです。

ランサムウェアに強いセキュリティソフトはどれですか?

用途別に見ると、個人ならノートン 360、既存ソフトに追加して中小企業で使いやすいのはAppCheck、IT担当がいる企業で侵入後の可視化まで重視するならEDR系が有力です。
迷ったら本記事の比較表から選ぶのが早いです。

ランサムウェア対策のフリーソフトはありますか?

完全無料だけで企業運用まで安心と言える製品は限られます。

Windows標準のMicrosoft Defenderは最低限の防御になりますし、各社の30日体験版や評価版もありますが、企業利用では管理機能や復旧機能を含む有料版が現実的です。

Windows Defenderだけで大丈夫ですか?

個人の最低限の対策としては有効です。

ただし企業で必要になる、侵害後の可視化、端末横断の調査、封じ込め、運用管理まで単体で十分とは言えません。企業用途ではDefender for Endpointのような上位機能や別途EPP・EDRの検討をおすすめします。

ランサムウェア対策ソフトの費用はいくらかかりますか?

個人向けの総合型は年4,000円台から1万円台前半が目安です。

中小企業向けは端末数やサーバー保護の有無で数万円〜数十万円規模になり、EDR系は多くが要問い合わせです。
単価だけでなく、運用に必要な人手も含めて見積もるべきです。

ランサムウェアに感染したらどうすればいいですか?

まずネットワークから切り離し、端末の電源はむやみに切らず、No More Ransomで復号可否を確認してください。

そのうえで、警察やIPAなどの公的機関へ相談し、被害状況の確認や再発防止策の検討については、必要に応じてCyberCrewへ早めにご相談ください。

順番を間違えずに対応することで、被害拡大や復旧遅れを防ぎやすくなります。
詳しくは本記事の「感染してしまったときの対処法」を確認してください。

まとめ

この記事の結論は3つです。

第一に、ランサムウェア対策は「ウイルス対策ソフトを入れているから安心」ではなく、侵入前の防御、侵入後の検知、復旧手段の3層で考えるべきです。

第二に、製品選びは用途別に考えるのが正解で、個人ならノートン 360、中小企業ならAppCheck、中堅企業以上ならEPPにEDRを組み合わせる構成が現実的です。

第三に、ソフトだけでなく、VPNやRDPなど外部公開面の脆弱性対策、オフラインバックアップ、教育まで含めて初めて効果が出ます。

どこから始めるか迷うなら、まずは自社の状況に合った無料体験や評価版で比較するのがよいでしょう。
そのうえで、公開機器やVPNの不安があるなら、ソフト導入だけでなく脆弱性診断やペネトレーションテストまで視野に入れてください。

ランサムウェア対策は、被害が起きてから動くより、早めに着手したほうが選べる対策も多く、現実的に進めやすくなります。


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